観察記 アリの家 吉田邦吉


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ぬくい散歩中、アリの巣がある。まるで古墳だ。

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庭付き一戸建てか。活気づいている。

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自然が豊かだ。

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悪くないデザイン。

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向きを変えて隠れ家的な。

アリというのはフェロモンの濃淡をかぎ分け、それで行動するらしい。ほかのアリがフェロモンの濃淡を出しているとき、それに混ざって「エサがあるからこう組織的に行動する」などと決まるようで、女王アリが指令を出しているわけではないそうだ(アリの生態にみる自己組織化のルール 山根圭輔,アクセンチュア ITmedia エンタープライズ 2006年02月15日 http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0602/15/news109_2.html)。

キノコ栽培用の落ち葉を集めたり巣穴を補強したりでき、「ゴミ捨て場と仲間の墓場は必ず巣穴を中心に180度反対に設置」し、「仲間のフェロモンから危険な方向を察知して避難」でき、「巣の引っ越しを、最も住み心地の良さそうな引っ越し先を選んでから行う」という優秀さ。

しかし、TV「ダーウィンが来た」によれば働かないアリが居るらしく、数時間で数センチしか動かずに食べ物を食うらしい。メディアファクトリー新書「働かないアリに意義がある」の著者、長谷川英佑准教授によると、どうアリの集団を分けて暮らさせても「2割が常に働かないアリになる」そうだ。

巣が壊れるなどのピンチのときにピンチヒッターとしてシステム全体を救出できる控え選手の役割らしい。日本の社会では「働かないは他人から妬まれる」のが常だし(稼ぎすぎも妬まれ)、ハワイでは早めのリタイヤはおめでとうらしいし、ドイツでは午後3時までワークシェアリングなど、「働き方は価値観に応じて多様」になってきていることを思う。

私が英語でよく海外の人達と会話している時、日本人がよく「羨ましい」という言葉を英語で言うと、海外の人達は非常に謙遜というか、実は常識の違いに驚いたのではなかろうかと思われる態度をしているシーンが多々あった。「羨ましい」は英語でネガティブな語感があるに違いない。確かに自分がどういう状態を選ぼうと自由意思の場合、言い方によって羨ましいは嫉妬言葉になるのだろう。

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なぜか破壊されたコンクリートのそばに退廃的に建設。
頭上は通行人と強風による落石注意。

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葉っぱでサンルーフ。

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こちらも退廃的かつ「苔(コケ)」つきでグレードUP。

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レンガ通りの間だって作っちゃう。

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公園の林がすぐ隣なので落ち葉に困らない。

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レンガが見えないほど砂だらけになった平地型古墳か。

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食い物を運ぶ最中の働きアリ。巨大な獲物だ。

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林と池の辺りを歩いて目の保養。鳥のさえずり。
早朝ランナーや散歩中の人多く挨拶よくする時間帯。
珍しく二人組。

女性「どのくらい歩くの?」
男性「やあ、もう1時間で足がくたくただよ」

人間たちは歩くだけを歩く。

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気温が冷たい場所ではアリの活動もない。

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さながら世界のどこかの洞穴住居の跡地とか、遺跡のようだ。
人間が絶滅したら世界中こうなるに違いない。

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公園によくある植樹スペースにもアリの巣はある。

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と思いきやこの樹木には巣だらけで驚いた。もしかして枯れるのか。

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逆にこちらのスペースでは巣作りに失敗した模様。
誰も、いや、アリも居ない。

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字義通り飛んで火に入る夏の虫じゃないかこれじゃ。
「這って」いるだろうが。

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アリの巣をつくるどころじゃない強敵あらわる。コケ。

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もっと強敵は人間か。人工的な砂地にはアリの巣が一つもない。
まるで砂漠地帯。唯一「スギナ」だけが生えている。

スギナを検索するとどうやらこれは「地獄草」という別名あり。『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか』稲垣 栄洋(幻冬舎)によれば、細かい枝を群生させるのが杉に似ていることから「杉菜」と呼ばれるようになったという説もあるらしい。スギナは根が深いから地獄まで伸びていると言われる。ウェブを見れば農家の天敵になる場合もあるようだ。

さらに、土筆(つくし)は、スギナの子として歌われるが実際は胞子を飛ばす茎で、植物にたとえるなら花の部分らしい。また、「ツクシやスギナの関節から茎を引っこ抜き、改めてそれを挿しておいて『どこで接ーいだ?』といって切れたところを当てさせる遊びがある」とウィキペディアは書いているが、その通りだ。私もやったことある。どこで誰に習ったのか。

スギナもツクシも食材だとか生薬だとかあるらしいが、だいぶ留意が必要で、もろもろに無知な場合は食べないほうがよさそうだ。そして、かつて原子爆弾をアメリカに落とされてその後、真っ先に緑を取り戻したのがこの「スギナ」らしい。

地中深くの根茎がシェルターになって熱線を防いだのか。しかも、「閻魔大王は地蔵菩薩の化身」だそうで、地獄から現世の地獄を救いに菩薩がやってきたのがスギナというように先の本のサイトでは締めくくられている(2015.04.18 第4回 原爆投下後の広島で最初に緑を取り戻した「スギナ」稲垣 栄洋 G+幻冬舎plus http://www.gentosha.jp/articles/-/3405)。

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だいぶ話がそれたがまたアリの巣。
コンクリートとコンクリートの間バージョン。

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絶望的。あたらしいアスファルト。

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道の逆側に出来ていた。
こうなってくると「人工物を微量に破壊」して「してやったり」。
無主物のアリは物(ぶつ)だろうから、犯罪「人」は「いない」。

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縁石の内側、植樹の土がある周囲は楽園だ。
写ってないがツツジの花のしおれ具合も女性的美をかもしだし。

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あたらしいアスファルトにも、ついに勝利した。
長い間、アリの巣はなく、ずいぶん地下生活だっただろう。

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目線を上げると田園風景。人間の巣はでかい。


カテゴリー: レポート   タグ: ,   作成者: 吉田 邦吉   この投稿のパーマリンク
吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。中大法卒、2000年より塾長。2013年4月、赤坂憲雄の活動のもと文の道へ、2014年9月22日に卒業同日、「WELTGEIST FUKUSHIMA」で独立し出版事業を開始。エッセイで致知出版大坪社長特別賞。会津民俗学研究会員、書籍編集長、雑誌共同執筆、講演、対談、私設図書館「ふくしま本の森」にて活動等。facebook / website / Amazon▼ Essayist. Nuclear evacuee. Independent publisher. Majored in law. Private school. Essay prize. Speeches and Talks at prefectual Museums etc. Like learning languages.