フクシマは「風評ではなく実害」論に追い風 吉田邦吉


若松道端の薪 2015年4月 撮影:吉田邦吉

若松道端の薪 2015年4月 撮影:吉田邦吉

今こそ立ち上がる時が来た。ずっとこの時を待っていた。

「『風評ではなく実害』原発事故後の苦悩伝える 県農民連会長、国際シンポで訴え」という記事が朝日新聞で「2015年4月13日」、本田雅和氏によって書かれた。

引用はじめ ――
「風評被害」について県農民連の根本敬(さとし)会長は「風評とは根も葉もないことをいう。我々の農作物は根にも葉にも放射性物質を付けられた。実害だ」とし、加害責任をあいまいにする用語の使われ方を批判した。

……根本氏は、「国の基準値を少しでも下回れば安全ですって売っていいのか。それ以下なら風評被害だというのは消費者を敵に回す行為では?」という農民の悩みを伝えた。「核被害地で農民として生きていく」決意をした根本氏は「損害の自覚と覚悟が必要」と強調、「農村での食糧自立、原子力に頼らないエネルギーの自立」を説いた。

「……基準値が、科学ではなく政治的に決められ、住民は説得の対象になっている」と述べ、日本政府の住民帰還政策を「二重基準だ」とした。
――― 引用終わり

この記事の主張者は、福島県農民連の会長」であることに注目。つまり福島県の地元がそう言っている。他の新聞でも生産者は出ていたが再びこれによって今までの「反デマ論者(危険神話を作り上げた~、デマが悪い~、反原発が悪い~、差別が~、承認欲求が~、ナルシシズムが~、分断で複雑多様が~)」のみみっちい野次などは雲散霧消することになる。

同年4月末には、産経新聞もドローン事件に際して私吉田に取材してくれた。その内容にも放射能があるのは事実。生産者や生活者は苦しいというようにきっぱり書いてくれた。つまり放射能という根拠のある実害の意味だと当然に考えられる。

なお、朝日の同記事によれば福島市のフリージャーナリスト藍原寛子さんはマーシャルの被ばくでは小児甲状腺がんだけでなく30以上の疾患・障害に対する補償制度が確立されていると紹介したそうだ。こちらは健康被害・医療の問題だ。こういうことが福島県内部ではなかなか声が上がらない実態があるが、なるのは自分らだ。

このように今や、心ある人には、この土地と人を愛するのに、左右がないのだ。東日本大震災、原発事故、このような巨大な災厄と業務上の過失大事故に対して、そもそも右左の思想など、本来ないと私も思う。あくまで偽善的右傾化、ウヨ、そういうものだけがマスコミやネットで独り歩きしていた。

この発言が5年目の4月」であることにも注目されたし。「もう5年目だからそろそろ安全に」など、放射能がなるはずないことを如実に、克明に表している。現場の生産者の会長が言うのだ。

なおブロゴス記事2011年4月の国家公務員一般労働組合の記事のほうで根本さんは「福島を放射能で汚した東電はあらゆる損害を補償せよ!」と強く訴えている。一部さらに引用しよう。

引用はじめ――
……「危ないとわかっていても、つくらないと損害(賠償)の対象にならない」こんな馬鹿げた話があるでしょうか。まだ原発事故は収束の見通しもたっていないのです。

放射性物質の飛散は止まっていません。土壌の汚染は続いていると思います。作物の汚染も続いていると思います。……

消費者の過剰な反応を「風評被害」だといいます。いま現実に起こっていることは、根も葉もない風評ではありません。東電が起こした原発事故による放射能が大地と作物を汚染している実害です。「風評被害」で片付けることは、消費者に責任をなすりつけ東電を免罪することです。

心ある方々から「福島の産品」を買い支えたいという申し出がきます。こういうみなさんに、私はこう応えています。「お気持ちはうれしい。でも、みなさんにお願いしたいのは東電はあらゆる損害をすべて補償せよという世論を消費地で起こしてほしい。
引用おわり――
(※太字と丸括弧は筆者吉田)

震災直後から今まで、4年間ずっと彼は同じことを言ってきたのかもしれない(違うことだとウソになり損をするのは生産者自身だ、風評被害つまり売れないのは自己責任論などと同義にされる可能性)。根本さんはいつの間にか事務局長から会長になっていた。今でもこの文が通じることにも悲しみを覚える。

東京新聞も「風評被害」という表現を安易に使うな、なぜなら、東京電力福島原発事故をめぐっても、「風評被害」はともすれば、放射性物質による汚染を矮小化する文脈で乱用された(篠ケ瀬祐司、榊原崇仁)からだというように2015年5月12日に特報で書いている。

今までの通り一遍「ふくしま」キャンペーンのままで福島に待っているのは、「被害のまま風化の一途を辿る」だろう。うっすら感じている人もいるに違いない。いろんな人達が思想の違いをそのままに、まず一致団結して政府東電に責任をとってもらい、福島を保護救済していくことが大事だと私は考える。

放射能のせいなんだから。


カテゴリー: エッセイ   タグ: , , , , , , , , ,   作成者: 吉田 邦吉   この投稿のパーマリンク
吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。カバラ数秘術の運命数1。中大法卒(法学位:不真正不作為犯における作為義務の発生根拠- A評価)、2000年より塾長。311より各地を転々し、2012年7月4日から会津若松市に避難▼2013年4月、赤坂憲雄代表理事(社)ふくしま会議の発行するウェブマガジン「ふくしまの声」ライターとなり約1年半で33本の文を執筆、2014年9月22日に卒業、同日、ウェブマガジン「WELTGEIST FUKUSHIMA」を創刊。 同月、歴史作家星亮一主幹のもとシリーズ化を目指す雑誌型書籍「フクシマ発 現代書館」の編集長に就任、創刊▼ 福島民報新聞や福島民友新聞、会津若松市や教育委員会など多数が協賛する県内最大の市民フォーラム『原発と人間』第三回より企画委員。赤坂憲雄と遠藤由美子が発起人で町づくり喜多方が実行委員会のふくしま本の森プロジェクト私設図書館づくりの実行委員。さをり織りフェアトレードのセラー。都市農村対流交付金事業・西会津ふるさとファンづくり協議会のもと研修員。会津民俗研究会会員。青木山を守る会会員。 ▼ 趣味はデッサン、字:芸術先生▼2014年5月21日 「偉人を育てた母の言葉」(著:大坪信之 致知出版)コンクール、大坪社長特別賞受賞▼書籍「戦争の教室」編:松本彩子 月曜社/ クサノネ 2014年10月編集・発行:(社)ふくしま会議 / 2015年3月号 「未来へ」に随筆(出版労連)/ うた新聞(いりの舎)2015年7月10日発行(40号)に随筆 / Dark tourism Japan Vol.1 ミリオン出版 中筋純、東浩紀、井出明、猪瀬直樹、 ら先達と共著 / DARK tourism JAPAN Vol.2 東邦出版 の先達らの末席にて会津の文を執筆 ▼2016年青森大間町の大マグロックにて中筋純、アーサービナード、なかのひろのり弁護士らとトークや対談。▼2016年11月20日、福島県立博物館にて会津民俗研究会主催で講演「廃村、湯の入に生きた女の半生」共催: 青木山を守る会 後援 : 福島民報新聞・福島県立博物館/ もと東北電力幹部鈴木清一らによる冊子「座・鬼生田 OH!NEWだ!(創刊号)」に津田枝里子とともに寄稿。NPO法人原発事故災害者復興タウン鬼生田開発プロジェクト/ 学術誌「会津の民俗」40号 会津民俗研究会 歴史春秋社▼2016年7月8月、郡山市kocoラジfm79.1パーソナリティーちばえみ(毎週火曜午後3時、再放送月曜1時40分)。ネットはサイマルラジオ、スマホはリッスンラジオ(「すべてのチャンネル」→ KOCOラジ)、または、FM聴にて、毎月1、2回以上放送のレギュラーコーナー、総計36回放送(201703付)。▼facebook / website / I live in Aizuwakamatsu city in Fukushima. I've been a nuclear evacuee from Okuma machi where is the Fukushima 1st nuclear power plant since the 11th of March in 2011 who work as a tutor at my temporal home, and writer, and chief editor of a book and learned from Akasaka Norio Prof. at a meeting Fukushima Kaigi and learn from a writer whose name is Hoshi Ryoichi to edit and publish a Japanese book which is called, "Fukushima Hatsu (Gendaishokan)." I like dessin (drawing). Got a literary prize "A Great word from Mother (Chichishuppan)." One of the writers on two books, "Classroom to learn what is War (Getsuyosha)" and "Grassroots (Fukushima Kaigi)." I graduated from Chuo University where I majored in Law with Law bachelor' degree of thesis: "Reasons to occur a crime called, "A crime of no genuine commission (A)".

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