8000Bq以下などの作業は、【年間】1ミリSV未満だ。読み解き環境省。吉田邦吉


わずかフレコンバッグが台風で流れた報道があって騒ぎになった。しかしそのことについて怒りや騒ぎはあっても、学びのムードは無かったように思う。こういうときこそ、ちょっと学んでみたいとわたしは思った。

分類時の「8000」という数字は、見た目が高そうだ。わたしもずっと高そうだと思ってきた。しかし実態は、当の基準「8000ベクレル以下ですらその作業をする人たちからして年間1ミリに満たない」のだった。以下の引用文と画像2つに、それが書いてある。

『8,000Bq/kg以下の廃棄物は、通常の処理方法でも処理等に伴い作業員及び周辺住民が追加的に受ける線量が、安全の基準である「年間で1mSv(ミリシーベルト)」を下回るため、安全に処分することができます。』(「放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト よくある質問」環境省 http://shiteihaiki.env.go.jp/faq/

指定廃棄物について 環境省
福島県における取組み 環境省

ただし思うに除染作業をするということの場合には、たいていが低いものばかりであっても中には比較的には高い線量のものもあるだろう。だからこそ彼らは積算線量を管理しているのだと思われる。

今ここでわたしが言及したいのは一般の人達が、桁の大きそうな8000ベクレルという数字に驚きすぎて過剰な不安症などを発したら大変だから書いている。放射能と聞いて不安になることは自然なことだと思うが、生活に支障をきたさないように適切な理解をしていくのは総合的な生活の質向上のためには重要である。

つまり、8000ベクレルという数字はその件で作業している人達にとっても低いものであるため、「以下」のものは市町村・民間で通常の汚染されていない廃棄物と同様の方法で処理できることになっている。

それよりも問題なのはそれらをまとめて黒いフレコンバッグ(トンバッグ)に入れているのだから容量が非常に大きなものになる。それらは一挙には管理しきれずに今もまだ民間の人達のところに置いたままになっていることが課題になっている。そういうこともあって、焼却や乾燥などで容量を小さくする工程を経るために「減容化の施設」が稼働している。

参考 なお、原子力施設と比較するとこうなる。あまりにも数字の桁に幅がありすぎなのである。一般の人達の通常の感覚で1000という数字を考えると違うような気がする。

『原子力施設で発生する廃棄物は、10兆Bq/kg超えるものなど様々なものがあります。 一方、指定廃棄物のほとんどのものは10万Bq/kg以下であり、比較すると約1億分の1とはるかに小さいものになります。』(以下に出典表示)

文と図(引用 指定廃棄物について コラム 環境省)

それに「8000の話」をすると今度は「100Bq基準の話」が気になる人達が出てくると思うが、それは100を即座に害毒と考える前に、カリウムもガンマ線を出しているという話に戻って考えてみることが先かもしれない。それに、基準値近くまでの食品が日常的にどこかで売ってる話などわたし個人は聞いたことがない。

あまりにも不安になりすぎるということはネットやSNSを見すぎている。そして疲れている。だからまず忘れることをおすすめする。それからゆっくりして、再び気になりだして学びたいときなどに心身調子よければ少し学んでみて、様子を見ながら進むぐらいが楽かもしれない。

自分のなかで楽であることが大切ではないか。
ゆっくり、あるこう。

※追記 このエッセイに質問があった。フレコンバッグの中身が数十袋という量で台風により流出したというような話が新聞報道などであったことにつき、フレコンバッグ数トン分などは川や畑に流れても人々の健康に被害がゼロなのか、というような趣旨であった。

2012年5月のNHKの記事によれば、2011年3月の原発事故によって90京ベクレルが放出されている。それで今の状況だから、たとえ流れ出たフレコンバッグの中身が、すべて基準値満タンの8000ベクレルやそれを超えるものであっても、もし薄まってしまったら影響が明確なほどの変化は見つからないのではないかということをわたし個人は思う。

それに、呼吸をしても、おにぎり一個を食べても、「がんにはなり得る」のであって、なにをしても「健康に影響がゼロではない」こともある。そのようなところで、これについてだけ「データでは明確に出ないかもしれないが、ほんの見えない程度に影響があるかもしれない、つまりゼロとは言えない」と言うことにどのような意味があり得るのか、わたしには難しい。

このような考えはわたし個人の感想であって、正確なことは環境省なり政府なりに問い合わせて見て欲しいが、すくなくとも環境省では小泉進次郎大臣が現時点では環境への影響はないという認識だとNHKで発表された(「2019年10月15日 注目の発言集 福島 除染廃棄物の袋流出 「環境影響なし」小泉環境相」https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/24391.html)。

そして、わたしがこういう考えだからといってせっかく除染してきたフレコンバッグの中身が流出したりしてしまうのを嫌でないとか悲しくないとかそういうことではない。それとこれとは別問題なのである。


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吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。中大法卒、2000年より塾長。2013年4月、赤坂憲雄の活動のもと文の道へ、2014年9月22日に卒業同日、「WELTGEIST FUKUSHIMA」で独立し出版事業を開始。エッセイで致知出版大坪社長特別賞。2017年度にアメリカ横断距離5000kmを歩き、1500kmの時点で20kg痩せ、2017年にアルコール、2018年にパイプを止める。会津民俗学研究会員。書籍編集長。雑誌共同執筆。文化庁支援事業や福島県立博物館や横浜美術館ヨコハマトリエンナーレ(オラファー・エリアソン作品)などで講師やトーク等々。私設図書館「ふくしま本の森」にて活動等。新聞、ラジオ、テレビ、インターネット、多数回のメディア出演を経験する。NHK BS1 スペシャルNHK world premium「福島タイムラプス」(出演)は全日本テレビ番組製作社連盟ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ニューヨークでも受賞。2019年から日々20kmのジョギング継続。法学、哲学、民俗学、そして20言語の学習も続けている。同年夏から農業関係の区域内公共事業に就く。県内在住。facebook / website / Amazon/ Twitter/ Instagram▼ Essayist. Private school. Nuclear evacuee 2011-. Independent publisher. Majored in law, Chuo Uni, related to the Middle Temple in London. A special essay prize on a first-class magazine 2015. Lectures and Talks at Fukushima prefectural Museum, Yokohama Municipalcity Museum of Art as Yokohama Toriennale 2017 with works by Olafur Eliasson etc. Like learning languages, Folklore, etc. So many Appearances of Newspapers, Radio, TV, Internet, and NHK BS1 SPECIAL and NHK world premium (Fukushima TImelapse, ATP award TV grand prix, outstanding performance award 2018 in Japan. Also, in New York it received an award). Jog 20 km and study 20 languages everyday and agricultural public enterprise worker since 2019. Live in Fukushima.