爽快な水色に紫陽花 吉田邦吉


わぁ、と拡がる爽快な水色の空が気づかぬうちに段々と朱色に染まり行く。うす軽く息をつき何かを思わぬ思いに癒され、これはどこまで上が在るのだろう。恐れながら地球が宇宙に生かされるのに必要な距離感なのか、地球が地上に与えた空間の膜なのか。ほんのわずか、表層で、ほんのわずか、すたすた。どうして切妻屋根で縁取られたこの漆喰は黒くならないのだろう。特段の音もたてずに浜風を浴びながら鎮座している。松の葉が緑色の花火をあげっぱなしにして緑色の松ぼっくりを抱えている。民家の軒先辺り小庭では枯れていく花々のそば。青紫蘇みたいな葉たちが称賛している柔らかい色の青紫色と赤紫色ぐらいの二色を恋人同士の様に並んで咲かせて初めて世に出る二輪の紫陽花とまだ白くて小さな紫陽花たちそして濃い桃色で所狭しぽたぽたと微笑みながら咲いている沢山のツツジを眺めていると茶色い虎柄の少し年取った猫が私に気づかずに物陰から歩いてきてにゃにっという顔をして少しよろけながら別の物陰へ歩いていった。あっちのほうでは水がたっぷりしているんだ。夕闇。


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吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。中大法卒、2000年より塾長。2013年4月、赤坂憲雄の活動のもと文の道へ、2014年9月22日に卒業同日、「WELTGEIST FUKUSHIMA」で独立し出版事業を開始。エッセイで致知出版大坪社長特別賞。会津民俗学研究会員、書籍編集長、雑誌共同執筆、福島県立博物館や横浜美術館トリエンナーレなどで講演やトーク等々、私設図書館「ふくしま本の森」にて活動等。新聞、ラジオ、テレビ、インターネット、多数のメディア出演を経験する。NHK BS1 スペシャルNHK world premium「福島タイムラプス」(出演)は全日本テレビ番組製作社連盟ATP賞テレビグランプリ優秀賞。facebook / website / Amazon▼ Essayist. Private school. Nuclear evacuee 2011-. Independent publisher. Majored in law, Chuo Uni. A special essay prize on a first-class magazine 2015. Lectures and Talks at Fukushima prefectural Museum, Yokohama Municipalcity Museum of Art as Yokohama Toriennale 2017 etc. Like learning languages, Folklore, etc. So many Appearances of Newspapers, Radio, TV, Internet, and NHK BS1 SPECIAL and NHK world premium (Fukushima TImelapse, ATP award TV grand prix, outstanding performance award 2018)