茜さす浜街道に朧月 吉田邦吉


 七年目の霜月いつもながら少し肌寒い浜街道沿いの平を歩いていた。あれからあれがなんだったのかと考えさせられる想いを広々としてどこまでも青く透き通った空へ見上げ、何度でも送らせていただく。地震の爪痕が修復された古い塀に残り、わずかに記憶が染みだしている。

 青天に霹靂あれど何ら返事はなく、夏には新聞紙とちくわと糸で釣れるザリガニもいる疎水を抱く道に敷き詰められた砂利が、しまむら和ものつっかけに撫でられて転がる。コンビニの女性が笑顔で接客していた。セブンイレブンのレーズンサンドがうまい。テレビが言うに何もない世界が見えるウルルは登山禁止になる。

 所用を終え出先の自動ドアを抜けると日が沈んでいた。朧月が茜さす空に夕と闇を交歓していた下界では、渋滞のなかを縫うように歩くカップルの向かい側にてコリー犬とシベリアンハスキーが交じったような立派な白黒ワンコが小さな家のもっと小さな犬小屋の前。

 胸を張り留守番していると見えて運命を思った。


カテゴリー: メモ   作成者: 吉田 邦吉 パーマリンク
吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 小さな雑誌『WELTGEIST FUKUSHIMA』の編集長をしている自由人。1981年1月大熊町の農家に生まれ育つ。政府避難指示区域内農業関連公共事業者。大型特殊免許。宅地建物取引士。中大法学士 (刑法)。エッセイが致知出版にて大坪社長特別賞。2017年から歩き走り現在、日々4kg背負い150m低山を4往復でマラソン20kmを走っている。総計10,000km超。20語学を学んでいる。2017, 2018年に順次、禁酒、禁煙となる。編著『フクシマ発』(現代書館)。文化庁支援事業LMN、福島県立博物館、横浜美術館ヨコハマトリエンナーレなどで講師 (日本遺産認定直後の会津三十三観音巡礼講演は福島県立博物館講堂で満員御礼)。私設図書館「ふくしま本の森」にて活動。NHK BS1 スペシャル (+ world premium)「福島タイムラプス」(出演)が全日本テレビ番組製作社連盟ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ニューヨークでも受賞。facebook / website / Amazon/ Twitter/ Instagram▼ Essayist. Public enterprise of agriculture at Okuma town in Fukushima, where has been legally off limit area since 2011. Private school. Nuclear evacuee. Independent publisher. Jurisprudence. Majored in law, Chuo Uni, related to the Middle Temple in London. A special essay prize on a first-class magazine 2015. Lectures and Talks at Fukushima prefectural Museum, Yokohama Municipalcity Museum of Art as Yokohama Toriennale 2017 with works by Olafur Eliasson etc. Like learning languages, Folklore, etc. So many Appearances of Newspapers, Radio, TV, Internet, and NHK BS1 SPECIAL and NHK world premium (Fukushima TImelapse, ATP award TV grand prix, outstanding performance award 2018 in Japan. Also, in New York it received an award). Marathon 20 km with 4kg and study 20 languages everyday. Live in Fukushima.