愛しいフクシマを創造しよう 吉田邦吉


 ヴェルトガイスト・フクシマは正式には「WELTGEIST FUKUSHIMA」で登録されている刊行物です。ドイツ語なので、Wのところを英語のVとして発音します。読み仮名は、「ヴェルトガイスト・フクシマ」であります。

 しばしば取沙汰される「フクシマ」という言葉について思うことがあります。わたしは「フクシマ」という言葉を憎悪表現だとは思っていません。これだけ騒がれたフクシマは、得体の知れぬ放射能で汚されたという意味合いを持つと思われることから毛嫌いされたりしました。現に今もそう思う人達は居るようです。

 しかしそれは、ヨコハマと同じカタカナであり、わたしにとって愛しいフクシマであります。細やかで繊細な、ただの小さな個人の悲しみが、歴史が、思い出が、暮らしが、大自然が、動物が、そしてそれらが汚染されたり奪われたりした艱難辛苦(かんなんしんく)が、凝縮されています。大事なフクシマを自分で貶(おとし)める必要は無いと思います。

 ひとりひとりが自らのフクシマを創造しましょう。

 フクシマという文字は、疑いようもなく「福島」という音を備えています。それを「憎悪」だと切り捨てること、わたしには出来ないのです。誰か他人の決めるフクシマに従い、その音フクシマをも毛嫌いして満足なら、そのかたには何も申しません。嫌う自由はあります。しかしわたしは自分がその言葉を愛しいと思っている自由を、ここに認(したた)めます。

 詳しくは、現代書館より拙編の「フクシマ発」をご覧くだされば幸いです。
 昨今のデマ騒ぎも、2行で本質を書いてあります。


カテゴリー: エッセイ, メモ   作成者: 吉田 邦吉 パーマリンク
吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。中大法卒、2000年より塾長。2013年4月、赤坂憲雄の活動のもと文の道へ、2014年9月22日に卒業同日、「WELTGEIST FUKUSHIMA」で独立し出版事業を開始。エッセイで致知出版大坪社長特別賞。会津民俗学研究会員、書籍編集長、雑誌共同執筆、講演、対談、私設図書館「ふくしま本の森」での読書普及などを行っている。facebook / website / Amazon▼ Essayist. Nuclear evacuee. Independent publisher. Majored in law. Private school. Essay prize. Speeches and Talks at prefectual Museums etc. Like learning languages.