ふくしま生産者の悲しみと怒り 吉田邦吉


2016年11月2日の福島民報新聞1面

福島県内の農協5団体すべて、はまなかあいづの全てが、賠償制度の継続を求めていることがわかりました。つまり、福島県で賠償を委任した生産者97%が、『福島の現実』に強く悲しみ憤っていることがわかるのです。これは分断とか対立ですか?違います。あなたも被害者になりえる「イジメ」です。たくさんの人が原発事故関連死で死んでいます。

販路の喪失や日本列島で同じスタート地点ではないなどの営業損害、汚染実害、精神的損害、内部被曝、外部被曝、放射能検査の実状、貴重な水となる山や川の汚染、海への汚染水たれながし、除染後の汚染、フクイチにある大量の放射能デブリ、30年間という長大な中間貯蔵施設、風評被害など、何から何まで挙げたら数えきれないほどあります。これら全てを包括的に入れて「フクシマの実害」と言え、それを引き起こしたのは加害者「東電」です。

もし、ふくしまで生きている人達を応援しているなら、次のようなことは控えてほしいと思います。表面だけ、放射能が大したことないとヒステリックセンセーショナルに安全を喧伝して目立ちたいなどのことや、誰か情報を間違えた人に対してことさら声を大きくして魔女狩りバッシングに終始するようなイデオロギー政治活動に福島の愛郷心を誤用して自らの劣等感から社会への私怨を追加するような混同話です。

例としては、原発事故後、情報を共有している人達のだれかを悪者にしてバッシングばかりしてきたネットの人達はこういう記事も全く無視し、いったいどこまで庶民を守ろうとする運動が憎いのか、どこかのデモが悪いなどと目をそらさせようとしています(<洗車汚泥>風評被害恐れ公表されず 2016年11月06日 日曜日 河北新報)。常にだれかをおとしめて切り捨てさせるようなことばかり言って極右思想に共感を示すような人達が、原発事故が起きたら、ネットに出てきたのです。被災地では被災があるから困っているのに、不毛ではありませんか。

なぜなら、そんなことをやっていても根本的な解決にならずむしろ政治的な対立を「わざわざ」引き起こしているだけだからです(そういうことをすると目立てるのでしょう)。そもそも被災というのは、被害というのは、政治的対立で起きるのではありません。本来の政治というのは利害調整行為であり、憎しみの押し付けではないので、誤用しないでいただきたいのです。敵を作り出す正義は卒業しましょう。静かに現実を見つめましょう。まだまだ福島は安心できません。

原発は何を出すのですか。
被害は加害で発生します。

5年も悲しみ続け6年間になろうとしています。とても長い日々です。いつもいつも日がな、寒いときには凍てつくような水をありがたく扱い、暑くて陽射しに倒れそうなときも農地に出続け、くたくたになっても重い荷を落とさず、エアコンもボーナスも有給休暇も連休もベースアップも何もかも無く、重労働に重労働を重ねて先祖代々命からがら日本の土地や文化を守ってきたことがあるために、日本の食糧は維持されています。

たとえば、海外の食糧は安いでしょう。日本の生産物が売れなくなれば日本の生産は消えますから、日本の食料を自分でまかなうという食料自給率は落ちます。するとどうなりますか。外国の言うことを聞かないと何も食べられなくなります。そうなった頃、海外の食糧は値上がりするでしょう。他にも食糧を盾にとり政治的な押し付けをされるでしょう。目に見えています。

ましてや戦争にでもなれば食糧の価格は高騰します。災害でも同じ。日本の国土を農地を生産を、長い目で大事にする社会にしませんか。世論調査によると福島県ではほとんどの人が原発再稼働に反対。つまり反原発です。もうこのようなことは起きてほしくないですし起きたら福島県どうなるかわからないからでしょう。東日本大震災もまだ警戒する必要あるそうです。よって福島県行政でも原発に依存しない社会を目指し、再生エネルギーが必死で注目されています。

それほど大変な事態なのです。こういう本当の、心の底でわきおこる地元ならでは福島の悲しみから応援してほしいと思います。なぜなら、このことは有名な一人や二人の意見ではありません。大勢すぎる生産者の事実だからです。巨大企業東京電カの起こしたレベル7世界最大の原発事故という行為があれば、上記のような被害結果があることは、一般の社会通念に照らし相当だと私は考えます。

本当の福島の被災はこういう悲しみです。被災は悲しみです。憤りでもあります。被災地が笑顔であれる日があるのは大変喜ばしいことです。しかし表層だけを声高に叫ばれても、今のままでは正直しらけます。被災地には被災者がいます。被災があるから被災地なのです。多大なる恵みをもたらす大自然は泣いています。聞こえますか。届きますか。もしよければいつまでも福島のみんなを大事に思っていてください。

それぞれの新しいフクシマを、創造しましょう。


カテゴリー: エッセイ   タグ: ,   作成者: 吉田 邦吉   この投稿のパーマリンク
吉田 邦吉

吉田 邦吉 について

CHIEF EDITOR ▼Yoshida Kuniyoshi / 1981年1月大熊町生まれの原発避難者。カバラ数秘術の運命数1。中大法卒(法学位:不真正不作為犯における作為義務の発生根拠- A評価)、2000年より塾長。311より各地を転々し、2012年7月4日から会津若松市に避難▼2013年4月、赤坂憲雄代表理事(社)ふくしま会議の発行するウェブマガジン「ふくしまの声」ライターとなり約1年半で33本の文を執筆、2014年9月22日に卒業、同日、ウェブマガジン「WELTGEIST FUKUSHIMA」を創刊。 同月、歴史作家星亮一主幹のもとシリーズ化を目指す雑誌型書籍「フクシマ発 現代書館」の編集長に就任、創刊▼ 福島民報新聞や福島民友新聞、会津若松市や教育委員会など多数が協賛する県内最大の市民フォーラム『原発と人間』第三回より企画委員。赤坂憲雄と遠藤由美子が発起人で町づくり喜多方が実行委員会のふくしま本の森プロジェクト私設図書館づくりの実行委員。さをり織りフェアトレードのセラー。都市農村対流交付金事業・西会津ふるさとファンづくり協議会のもと研修員。会津民俗研究会会員。青木山を守る会会員。 ▼ 趣味はデッサン、字:芸術先生▼2014年5月21日 「偉人を育てた母の言葉」(著:大坪信之 致知出版)コンクール、大坪社長特別賞受賞▼書籍「戦争の教室」編:松本彩子 月曜社/ クサノネ 2014年10月編集・発行:(社)ふくしま会議 / 2015年3月号 「未来へ」に随筆(出版労連)/ うた新聞(いりの舎)2015年7月10日発行(40号)に随筆 / Dark tourism Japan Vol.1 ミリオン出版 中筋純、東浩紀、井出明、猪瀬直樹、 ら先達と共著 / DARK tourism JAPAN Vol.2 東邦出版 の先達らの末席にて会津の文を執筆 ▼2016年青森大間町の大マグロックにて中筋純、アーサービナード、なかのひろのり弁護士らとトークや対談。▼2016年11月20日、福島県立博物館にて会津民俗研究会主催で講演「廃村、湯の入に生きた女の半生」共催: 青木山を守る会 後援 : 福島民報新聞・福島県立博物館/ もと東北電力幹部鈴木清一らによる冊子「座・鬼生田 OH!NEWだ!(創刊号)」に津田枝里子とともに寄稿。NPO法人原発事故災害者復興タウン鬼生田開発プロジェクト/ 学術誌「会津の民俗」40号 会津民俗研究会 歴史春秋社▼2016年7月8月、郡山市kocoラジfm79.1パーソナリティーちばえみ(毎週火曜午後3時、再放送月曜1時40分)。ネットはサイマルラジオ、スマホはリッスンラジオ(「すべてのチャンネル」→ KOCOラジ)、または、FM聴にて、毎月1、2回以上放送のレギュラーコーナー、総計36回放送(201703付)。▼facebook / website / I live in Aizuwakamatsu city in Fukushima. I've been a nuclear evacuee from Okuma machi where is the Fukushima 1st nuclear power plant since the 11th of March in 2011 who work as a tutor at my temporal home, and writer, and chief editor of a book and learned from Akasaka Norio Prof. at a meeting Fukushima Kaigi and learn from a writer whose name is Hoshi Ryoichi to edit and publish a Japanese book which is called, "Fukushima Hatsu (Gendaishokan)." I like dessin (drawing). Got a literary prize "A Great word from Mother (Chichishuppan)." One of the writers on two books, "Classroom to learn what is War (Getsuyosha)" and "Grassroots (Fukushima Kaigi)." I graduated from Chuo University where I majored in Law with Law bachelor' degree of thesis: "Reasons to occur a crime called, "A crime of no genuine commission (A)".