避難・帰還の狭間で 吉田邦吉 written in English together

昨年末にテレビで飯舘村が出て復興した姿を報道したらしい。そのことについて同じく飯舘村の人が他にも報道されていないところが沢山あることを言っていた。また最近、民の声新聞さんで浪江町の人達の声が記録されていた。どこも同じような話題で苦労している。日本全体の復興ムードから取り残された解除区域の人達が帰還や復興を一所懸命に祝いたいのは当たり前だ。逆に、まだ帰れない人たちが辛くて不安や悲しみを批判として挙げるのもごもっとも。帰れても帰れてなくても延々と続く困難。どうしてくれることか。これから問題はまだまだ数えきれないほどになるだろう。それでも我々はこの辛苦を乗り越えて生き抜かねばならない。

(Sorry for my odd English)
A TV broadcasted like that Iitate village (Almost of the place had been off limit area) was re-constructed, but some evacuees said like their hometown had a side of sadness and they must broadcast its side, too. On the other hand, Namie town’s evacuees said like the same as some evacuees of Iitate village. Hence, everyone has the same topic like, “What should we do from now on? What should people see about Fukushima off limit area?” I thought, it was right that people who went back to there and they wanted to celebrate it. At the same time, I know some evacuees want to critic a kind of mass-media’s way. Everyone feels sad, even if where they live. We have enormous problems, but must overcome this obstruction step by step.

乱読日記*その八  「フィクションの表土をさらって:玉城入野」    伊藤千惠

玉城さんフィクションの表土をさらって  玉城入野著 洪水企画2018.11.25発行

「うた新聞」という短歌月刊誌を発行されている玉城入野さんのはじめての著作。
2010年から2017年までのあいだに発表された文章から14遍を選んである。
映画作品論の第Ⅰ部、島尾敏雄と島尾の故郷、福島県小高についての第Ⅱ部、そして玉城さんの父上である歌人、玉城徹についての第Ⅲ部という構成からなる。

北野武作品や深作欣二への鋭い評論もさることながら、「トラック野郎」という超娯楽映画への考察が、島尾敏雄のふるさと小高に対しての想いと“故郷論”としてリンクしていくことにいたく興味をそそられる。
あまりここではつまびらかにできないけれど、ハイマートロス=故郷喪失ということばをこの本ではじめて知った。ただちに原発避難者のことが思いうかぶ。
もちろん、そのことも著者自身に関わることとしてとらえられている。

それから私がはっとしたのは、
「夢想とは、意識的に見えないものを見ようとする意志なのです。その意思こそが現実という物語の奥に隠された、真の事実を見抜くのです。」
という一節。(「ドン・キホーテをきどったパスカル・オジェは「現実なんて恐怖政治と同じ」と断言するのです。」より)
夢想ということばは虚構、フィクション、幻想といいかえてもいいかもしれない。
――見えないものを見ようとする意志――
これはとても重要なことなんじゃないか?と私はおもう。
原発事故以後、「とりあえず最新の情報を収集して、その中から一片の真実を掘り当てようと多くの日本人が躍起になっている状況」に、なんとなく薄ら寒くまずしい感じを覚える。私もそんな状況ではあるのだが。
もちろん、見えないものの裏側に必ず絶対的な真実があるわけではない。
けれども、フィクションを絵空事としてただの幻のようなものとして扱う態度は、ものごとの核心に近づくこともできないと思うのである。
巷のメディアが提供する感動、あるいは悲憤慷慨実話にからめとられないためにも。

私的な感想ばかりになってしまったが、どの章も玉城さんの豊かな文学性と誠実さが感じられ読みごたえがある。ぜひ一読を。