犠牲道徳よりも政策提言を。吉田邦吉

私にはわからないことがある。何でも災害対応に「ボランティアありき」で政策が組まれているような気がすることだ。そもそもボランティアは、行政に手の届かない、そして、NPO法人ですら手の届かないところを、一般個人が自由に行いたいものを行えるもの、または、相手の同意で行えるもの、であるはずだ。

ところが、最初からボランティアを当て込んで政策が組まれていると、自衛隊の派遣される人員が減ったりするのではないだろうか。西日本水害。自衛隊は数百人派遣されたというニュースしか私は見ていない。テレビでは「人手不足」「ボランティア不足」ばかりが流れている。しかし実際は、「自衛隊の派遣を増加してくれる新しい考えの内閣が不足している」のではなかろうか。陸上自衛隊は十数万人いる。

総理は「スピードが勝負」だと言ったようだ。しかし有料ですら昨今の事業は人手不足による倒産なども言われるほど人手が足りていない。お金のためではないとはいえ、そこに無料でというか実費負担で人手が十分にいきわたると考えるほうがおかしいのではないか。私もボランティアをしてきたが、ボランティアが過度に美化されなくても私はボラをする。

そもそも災害が起きた場所では、クギ、ガラス片、刺突してしまうような物質がとにかく散乱していたり、建物が倒れてきたり崩れてきたりしそうな場所が沢山あって、素人の一般人がそんなにやたらと動きまわって合理的な場所ではない。今回の水害においても、真夏であることもあり、「災害ごみ」「異臭」「粉塵」「感染症」「熱中症」「危険」ということが盛んに言われている。気候の極端化もある。

昨今の情勢をいろいろ見ていると、あたかも美しい家庭とか、親への感謝とか、そういうのを、国家への感情とすり替えた、戦前の空気感が、憲法改正の思想のなかに入り込んでいるような気がしてならない。そこでは犠牲の道徳が尊ばれている気がする。「お国のため歴史」を繰り返すよりは、政策の提言でスマートな解決を希望したい。

犠牲が尊ばれても、
総理の年収4千万円。

犠牲道徳と言えば、自衛隊の訓練方法は現代の気象変化に対応しているだろうか。他国の武器は山ほど買うのに、どうして自衛隊に余裕がない動きをさせるのだろう。

参考
自衛隊員も熱中症相次ぐ 西日本豪雨の災害派遣7/17(火)朝日新聞https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180717-00000100-asahi-soci

この記事の前にFacebookで書いたことを併記。

それと、「ボランティア全然来てなくて平日には30人の場所も」というSNSの情報と、「連休でボランティアが2000人を超える見込みです」というテレビの情報と、隔たりがありすぎて、どうしてテレビは復旧復興の美談しか流さないのだろう。どこが不足してどこが足りているが分かって行きようがある。他にもボランティアセンターの仕組みだとか、まだまだテレビの役割は満タンのはず。

しかし、たりなさすぎるボランティアの話を永遠にしていても、ボランティア活動とは、そもそも慈善的な、あくまで好意的なことだろう。被災を肩代わりすることはできない。被災した場所で家々などのための費用は国会で出させなくてはならない。自然災害は、かなりの度合いで、国会や内閣の様子が問われ、かつ、政治的なことになるのである。それが社会的に良いバランスの保たれているとき、公平と言える。

以下、最近の記事を引用する。このテキストだけを見ても、間が謎なのであるが、とにかく派遣数は、19日ごろどっと増えたようだ。

西日本豪雨の発生を受け、自衛隊には1府7県から派遣要請が寄せられ、大雨災害としては「過去最大規模の態勢」(防衛省関係者)で救援救助に当たっている。8日には被害拡大に対応するため災害対策本部を設置。中四国を中心とした陸海空3自衛隊の隊員約2万7000人を投入し、人命救助や給水支援などを開始した。その後も態勢を拡充し、19日時点で隊員約3万1000人、艦船28隻、航空機38機を派遣している。元自衛官で民間企業などに勤める「即応予備自衛官」約300人も招集し、12日から広島を中心に生活支援活動を展開。即応予備自衛官の招集は平成23年の東日本大震災、28年の熊本地震に続き3回目で、大雨災害では初となる。防衛省によると、19日までに自衛隊が救助した人命や孤立者は約2300人、給水支援は約1万4000トン、入浴支援は約4万5000人に上る。燃料や水などの物資輸送、がれき処理、道路啓開、水防活動なども継続している。自衛隊員3万人を被災地投入、即応予備自衛官300人も招集 猛暑で半袖も容認 20180719 産経新聞

被災者生活再建支援制度、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、被災者生活再建支援金を支給することにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興を手助けするという制度。まあ簡単に言うと、自然災害で10世帯以上住宅の全壊被害が出た市町村で使える制度だと。水害の場合は、今回水害ですもんね、住宅に床上1・8メートル浸水があれば全壊、床上1・8メートル未満から一メートルで大規模半壊、床上1メートル未満で半壊、床下は半壊に至らず、この4つの被害程度によってお金が支給される。

時間がないのであくまでざっくりですけれども、まず基礎支給金として、全壊の場合には100万円、大規模半壊の場合には50万円支給。加算支給金として、新たな住宅を建設、購入する場合には200万円追加だって。現在の住宅を補修して住む場合には100万円、公営住宅以外の賃貸住宅に転居する場合には50万円がそれぞれ支給される仕組み。大きいところだけ言うと、つまり、全壊の人が家を1から建て直すといったら300万円もらえる、大規模半壊の人が家を補修するんだったら150万円ねって。はっきり言って、桁違い過ぎるじゃないですか。足りるわけないじゃないですか、こんなので。

せめて、野党が提出している被災者再建支援法の改正案、先ほどの金額を増額する法案です、これも十分ではない、でも現行制度よりはまし。全壊で建て直して500万円、大規模半壊で補修して250万円。全然違いますよ。現行制度よりも200万円、1から建て直す場合は。大規模半壊で補修するならばプラス100万円現行制度よりも上積みされる。最低でもこっちじゃないですか。今国会で通してくださいよ、今国会で。カジノじゃないだろう。ばくちじゃないだろう。これが先だろう。どうしてこれを通してくれないんですか。お見舞い申し上げます。被災者に……

2018.07.19 内閣委員会(IR整備法案=西日本豪雨災害)2018年07月21日 山本太郎)

よくお金を受け取ることを悪い云々で自己責任云々というネットの人達が居るかもしれないが、私はそうは思わない。なんのために日々、税金を納めているのか。しっかりした対応を受けてこそ、しっかり、やる気をもって人は生きていくことができる。しぶることや政府持ち上げそして個人へのバッシングばかりネットに充満させず、しっかりとした、生きやすい日本列島というものの構築に寄与していこうではありませんか。

台風12号 被災者「くたびれた」 豪雨、猛暑と続き… 毎日新聞 2018年7月29日

毎日新聞調査 西日本豪雨、政府対応68%が不十分 毎日新聞 2018年7月29日

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1789863007771582&id=100002436991004