通巻5号「同調圧力」発売開始

2015年秋号(通巻5号)2015年11月発売
40ページ、定価550円 ISSN 2189-4639

※完売御礼。
※お振込み確認後、EメールにてPDFデータ販売となります(送料無料)。

雑誌WELTGEIST FUKUSHIMA2015年夏号の表紙デザイン©天井優志、裏表紙デザイン@吉田葉月 編集発行代表:吉田邦吉+ヴェルトガイスト・フクシマ編集部

雑誌WELTGEIST FUKUSHIMA2015年夏号の表紙デザイン©天井優志、裏表紙デザイン@吉田葉月 編集発行代表:吉田邦吉+ヴェルトガイスト・フクシマ編集部

解説
 特別企画「同調圧力」、という聞きなれない言葉がこれほど意識されたのは原発事故後であろう。であればその「核心にふれること」を考えておく必要を感じている。教室で行われ続けるイジメを毎日毎日、見て見ぬふりをした子どもらが、今も大人になって何も変わってない社会がそこにあるとしたら、大人は子供に何を教えるのであろう。
 いつもながら自由記事も盛り沢山で詰まっている。

表紙、裏表紙、表紙文字 :天井優志
裏表紙 : 吉田葉月

著者
山川 貢
吉田葉月
天井優志
柴田慶子
伊藤千惠
物江 潤
酒井政秋
米田 博
高田 緑
吉田博子
芸術先生

編集部
デザイナー:天井優志
編集者:伊藤千惠
総務:吉田博子
編集長:吉田邦吉

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定価550円。

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店番 828
預金種目 普通預金
口座番号2750001

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心よりありがとうございます。
歩みは遅くとも続けていく所存です。
何卒よろしくお願い致します

山の恵みを奪われた暮らし2016 酒井政秋

秋、もう一度初心に戻り、この文章をあらためて世に送り出そうと思う。

以下の文章は今はもう存在しないサイトへ2013年に寄稿した文章だということをあらかじめ付け加えておく。

山の恵みを奪われた暮らし

今年もキノコの季節になった。飯舘村の避難から2年半が過ぎた。この時期になるといつも悔しい思いが強くなる。

私の祖母は山に行く事を震災前まで生きがいにしていた。その生き甲斐が原発事故によって失われた。単に山を歩くことが生きがいだったわけではない。春、木々が芽吹き、そして緑が増える頃、山菜が採れる。タラの芽、こごみ、ワラビ、すぐ近くに行けば沢山採れたのだ。

夏は畑で野菜のほとんどがスーパーに行かなくても収穫できた。秋になると松茸、イノハナ(正式にはコウタケ)、シメジ、マイタケ、数えきれないほどのキノコが採れた。その他にも沢山のものがすぐ近くに行けば採れたのだ。そして、それを食べるのはもちろん、近所の方におすそ分けをして共に喜ぶことだったり、また、遠くからキノコが食べたくて口伝えで買いに来られる方もいた。

そして、飯舘村の直売所は秋になるとキノコで一杯になる。紅葉を愛でながら、山へと行く祖母の姿はとても凛々しくもあり、活き活きしていた。祖母にとって、飯舘の人にとって山は生きていくうえで欠かせない「暮らしの一部」でもあり、「宝の山」でもあった。その暮らしが原発事故によって奪われたのである。

その事がどれほど大きい事か分かるだろうか。単に取れないだけの問題ではない。色も形も何ら変わりなく毎年山に出る。しかし、目の前にあるのに食べられない。香りは変わらないのに食べられない。ただ変わりがあるのは、測定された数値が示す放射性物質の値が高いという事だ。

生まれてきたときから山での生活をしてきた人にとって山の恵みを食べられないという事は、どれほどの事か。この償いを東電は認めようとはしない。生きがいの賠償・山での暮らしの賠償は未だ一切ない。お金に換えられないものは全く指針に示されず、そのお金に変えることができないここでいう「暮らし」が1番大事なことなのに。

1番安全な山の宝が今では1番危険なものになってしまった。その事の重大さは霞が関の官僚にわかるだろうか。利便性で簡単に得るものの満足と不自由な暮らしの中で見つける喜びどちらが正しいのだろうか。どちらが、未来を豊かにするものか我々世代が真剣に考えなければならないと思う。(2013年10月8日 筆者:酒井政秋)

 

我が家から見える野手上山

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家から眺めたこの景色をもう二度と見れなくなる。

それは、この景色は我が家の2階から見えた景色だった。しかし来年には家を取り壊す予定だ。

そして、今年もキノコは何万ベクレルもの値が出ている。山の恵みは未だに、安心して食べれる状態ではない。たとえ低い値でも「測定」しなければ食べられるのか、それとも食べられないのかという煩わしいことをしなければもう山の恵みは食べれない状態になってしまった。山での生活の中で「食の安全性」の喪失ということはとても大きいことだと理解してもらいたい。