―Don’t Follow the Wind ― Non-Visitor Center @ワタリウム美術館

今年3月11日から東京電力福島第一原子力発電所周辺の帰還困難区域内で、展覧会が催されているという。
元住民の方々から提供された区域内の様々な会場に、12組のアーティストの作品が展示されている。しかし、立ち入りが制限されている区域であるため、「誰も観にいくことができない展覧会」なのである。会期は当然ながら未定。
それを広く周知するためのサテライト展が青山のワタリウム美術館で開かれているということで、 ―Don’t Follow the Wind ― Non-Visitor Center 展(非・案内所)へ行ってきた。

DFW01

展示物はすべて、ガラスを通してのみ観ることができる。 福島の展示会場の鍵が壁面上にディスプレイしてある。

DFW02

仮設の階段を登って3階へ

DFW06

3階部は参加作家が制作したDFW関連作品や過去の代表作が、これもまたガラスの向こうに展示。オーディオガイドによる解説も

会場のいろんなところに設置されたモニターには、帰還困難区域内のライブカメラから送られてくる「いま」が映し出されている。
DFW05DFW074階は映画監督・園子温さんによる映像インスタレーションを展示

DFW04

国外のアーティストとのスカイプ映像など

帰還困難区域内での展覧会・・・・・
ガラス越しにしか見ることのできない作品は、想像力をフルに喚起させて現実にひきよせることも、遠いところにあるものとしてあいまいに受け取ることも観る者次第である。
私が昨年行った楢葉町のたたずまいは、一見、牧歌的な風景とフレコンパックや除染事業の車両や基地が当たり前に地続きで存在する、少しよじれたような現実感があった。
この場で私の感じた帰還困難区域は、よりいっそうの距離感が増し、おそらくそれは鑑賞者それぞれで異なるものなのであろう。
こういう試みはもっとなされていいと思う。

会期が延長され、11月3日までとなっているので、興味を持たれた方はどうぞ足を運ばれては。1階と地階にあるショップ、書籍コーナーも充実しており、一見の価値がある。
この展覧会は、ワタリウム美術館での展示後、形態や内容を一部変えながら海外の美術館やアートセンターなどを巡回する予定という。